育児疲れ。常にマルチタスクに追われると起こること
「はぁ〜〜」
くるなり溜息なんて一体どうしたんだい?
「いやなに。久しぶりに娘に怒鳴ってしまってね。少し自己嫌悪中さ」
「もともとパパっ子だったんだけどね。弟が産まれてから前よりたくさん甘えたり、嫌々言ったり、泣くようになってね」
「うまくできないことに癇癪を起こした娘につい怒鳴ってしまったんだ。うるさい!なぜ怒られたか考えなさいっ!ってね」
「育休とってるんだ。できるだけ二人に愛情を、と思っていたんだけどね。反省さ」
ああ、そのことか。君の奥さんが言ってたぜ。育児疲れだろうって。誰にでもあることだから気にしなければいいのに、とも言ってたな。
0歳に5歳だろ。子供たちのタイミングでパパ、ママってくるからね。常に気を張り詰めてないといけない。
自分の生活だってあるわけだから、三つ、四つのことにざらに意識を向けなきゃならない。マルチタスクを否応なしに要求されてるようなもんさ。
自分がしたいことがあっても、子供を優先させなきゃならない。それは仕方ないことさ。親の勤めだしね。
前言ったかもしれないけどね。
ひとは、二つ以上のことを同時に意識して動けないんだ。脳の仕組み上の話さ。
意識しなくてもできることならいいんだけどね。育児となるとそうもいかないことが多い。抱っこ紐で寝かせつけながら読書するくらいはできるかもしれないけどね。
優先順位がつけられないことがいっぱいあったり、せわしなくたくさんのことを要求されると、脳がいっぱいいっぱいになるのさ。
そうすると、不安は増すし、ストレスは増える。考えたり、判断する機能が下がって、衝動的になることがわかっている。怒鳴ってしまったのも多分そういうことさ。
育児は、マルチタスクを生みやすいと思うよ。それでも子育てをやり抜く。すごいよね、母親ってやつは。
・脳は二つ以上のことを同じに意識できない。
・優先順位がつけられない。せわしない沢山の刺激は脳に心身に悪影響を与える。
・不安、ストレスの増大。思考、判断力が低下し衝動的になりやすい。
マルチタスク脳を疑うきっかけ
ただ、やっぱりマルチタスク(二つ以上のことを同時に意識する)は避ける努力をしなきゃ、同じ失敗をしちゃうぜ。それに心や体も壊す。
「・・とはいってもね、どうしたものだろうね」
常に目の前のひとつのことに集中する環境をつくることが大切だね。「ひと」「もの」「情報」からの刺激をとにかく減らすのさ。
「たとえばどんなものだい、それは」
・誰かに話しかけられる。
・用事をお願いされる。
・面白いゲームや動画。
・たくさんのものに囲まれた生活。
・気を引くニュース。
・Twitterやインスタの気になる情報発信。
・・とか、そんなものさ。つい意識がそっちにいくだろ。
やりたいことが多いのはいいことだけどね。
たくさんのことに意識を向けるのは、脳の健康上良くない。だから減らす。
・憶える
・考える
・決める
・理解する
・計算する
・学ぶ
・解決する
・感情を整える
・衝動を抑える
・立ち向かう
このどれかが「少しでもできなくなってきたな」と思ったら立ち止まる。そして、
本当にしたいことを選ぶ。
そして、
やめることを選ぶ。
ことを考えよう。そうして、ひとつのことに集中する。
そのためには、不要なものはさける。避けられなくても減らす。必要なことに時間を使う工夫をする。そんなことを始めるのさ。
僕が実際に使っているかんたんに始められる「おじゃま虫の撃退法」を三つを教えるよ。
「そりゃ、聞いてみたいね」
かんたんにいうとね。
外からの刺激を・・・
・把握する。
・見えなくする。
・脇に置く。
ということさ。
・ひとつのことに集中する環境をつくることが大切。
・「ひと」「もの」「情報」から受ける刺激を減らす。
・マルチタスク脳を疑うきっかけ:
考える/決める/理解する/計算する/学ぶ/解決する/感情を整える/衝動を抑える/立ち向かう
・本当にしたいこととやめることを選ぶことが大事。
マルチタスクを撃退しひとつのことに集中する方法3選
1.把握する。
毎朝3分間一日の予定を書き出す
朝起きたら、メモ帳なんかにやることを書き出すんだ。意識しなきゃならんことをあらかじめ出しておく。
見通しがたてば・・
・やること
・やらないこと
・やめること
・任せること
がみえるようになってくる。
そうすると、前もって動くことができるから、追われるように1日を過ごすことが減る。
そうして、繰り返しやってると、1日にどれくらいのことができるのか感覚でわかってくるようになるんだぜ。
やることが8個になったらしんどいな、とかね。
「何に書いてもいいのかい?」
そうだね、僕はiPhoneのメモアプリを使っているね。タスク管理アプリとかなんでもマルチにできるのは、続ける気がなくなるから全くおすすめしないよ。
2.見えなくする。
スマホを隠す
電話、メール、SNS、ニュースアプリ、You Tube。意識を削がれる理由の大半はスマホさ。財布にもなるスマホを完全に隠すのは大変だけどね。
でも、アプリの一つを消したり、スクロールしなきゃみれない画面に移して隠すことはできる。
楽天モバイルみたいな実質無料のスマホを契約して、連絡用と趣味用で用途を分ける片方を隠すのもありさ。
「別にスマホ二台じゃなくてもいいんだろう?」
もちろん、タブレットやパソコンとの棲み分けでもいい。アラームを目覚まし時計に置き換えるみたいなことでもいい。
とにかく見えない環境を作るのさ。
かたづけをする・使っていない物を捨てる
1日で最も長くいる場所が散らかっていると注意が削がれるものさ。ものが多ければ管理する手間は比例して増えるだろ。たとえば・・
・ものが多いと気が散ってしまう。
・気になるものは手に取ってしまう。
・だす、しまうの手間がかかる。
・掃除や管理の手間がかかる。
・なくす、さがすの手間がかかる。
使っていないものは捨てる。それ以外は片付ける。要するに、視界から見えなくしてしまうのさ。
「ミニマリスト的な発想かな?」
そうだね。自分にとって価値あることに時間を使う為に取捨選択する。繋がるところはたくさんさ。
3.脇に置く。
パーキングロット
語源は駐車場さ。
・ふと思いついたアイデア。
・横道に逸れた話。
・ふいにお願いされた頼まれごと。
ひとつのことに集中している時にやってくる優先度が低い事柄は、メモ帳などに書き出し記録して脇に置いておくに限る。そして目の前の事柄に集中する。
集中力は途切れるとまた集中するのに20分以上かかるんだ。マルチタスクにしない為に、防波堤として常に駐車スペースを心に用意しておくんだ。
やらないわけではないからね。頼まれごとなんかでも、申し訳ないという気持ちをかなり軽減できるよ。
記録は必ずする。人は忘れる生き物だからね。優先度の低いこと、都合の悪いことなんてあっという間に忘れるからね。
・・・とまあ、こんなところさ。
「やることを把握し前もって動けるようにする」
「意識が逸れる原因は、自分から見えないようにする」
「意識が逸れそうになったら、心の駐車場に停める」
「そして、目の前のことに集中する。これで合ってるかい?」
ああ、大丈夫だよ。
計画する、環境を整える、リスクヘッジする。こう言えば当たり前のことみたいに聞こえるけどね。
知らないとできないもんさ。だから伝えるんだ。知ることで少しでもマルチタスクでしんどくなくなれば嬉しいね。
とにもかくにも、頭の中の環境を良くする。
そのために環境を整える。
その上で良い環境に自分を置く。
それが自分を最高に活かすことに繋がるのさ。
・マルチタスクの刺激を減らす
・1日の予定を把握し、やめること、任せることを決め前もって行動する。
・刺激を見えなくする。ひと・もの・情報の刺激から意識を守る。スマホの分離とものの整理。
・周囲からの刺激は記録し目の前のことに集中する。パーキングロットの活用。