・悪い習慣のやめかた
悪い習慣をやめる
悪い習慣をやめる3つの工夫
前回に続き今回は、悪い習慣をやめるお話です。

とはいえサボりたがりが悪い習慣を止めるなんて、そんな強い意思が必要なことができるのでしょうか。
それができるとしたら、基本的な考え方は習慣を始める時の逆のことを実践することです。それはこの4つの工夫になります。
- 見えなくする
- つまらなくする
- 難しくする
- 満足できないものにする
(参考:ジェームズ・クリアー著「複利で伸びるひとつの習慣」)
習慣を始める時のお話は、前回に譲りますが一度習慣になるとかんたんにはやめられないものです。
例えば・・
- かばんに入れっぱなしの勉強道具。(見えなくする)
- 親に言われて嫌々始めるも、(つまらなくする)
- 膨大な量がありなにから手をつけたらいいかわからない。(難しくする)
- なんとかやっても対して褒められない(満足できないものにする)
そんな夏休みの宿題であれば
「明日からにしよう!今日は外に遊びに行く!」
そんなことは簡単にできそうです。
でも世の中は魅力的なもので溢れています。
- 美味しそうな匂い、
- 揚げたばかりのサクサクッとした食べる音が聞こえ、
- 注文はモバイルオーダーで手軽にでき、
- ジューシーな塩味と油がじゃがいもの味をさらに高めて満足させてくれる。
そんなフライドポテトのようなものが周りにはたくさんあります。あまりに周到に準備されているので意識しないと分からないので止めるのも一苦労です。
サボりたがりであればさらに難しいでしょう。でもそれが自分にとってマイナスに働くとしたらそんな習慣はやめたいものです。
さて、だとしたら私たちはなにから手をつけたら良いのでしょうか?
今回もサボりたがりならではの大切にしているポイントをお伝えしていこうと思います。
それは「難しくする」ということです。
そこには、サボりたがりだからできる工夫があります。
それは・・
- 無理にやめようとしない
- 工夫に目を向ける
- ひとつずつ工夫をやめる
この3つです。それでは今回は私がお酒を飲む習慣をやめた経験を元にしてお話を進めていきます。
ところで悪い習慣ってなに?
さて本題に入る前に・・少し話は逸れますが、人にとってはどんなことがやめたい習慣になるのでしょうか?
- お酒の習慣
- デザートの習慣
- ゲームの習慣
- YouTubeの習慣
どれも魅力的で満足感が得られるものばかりです。
とはいえ、それらが全て悪い習慣という訳でもありません。お酒好き、デザート好きが高じてバーテンダーになるかもしれませんし、パティシエになるかもしれません。
YouTubeやゲームが大好きで、ゲーム配信者になることだってあるからです。だから一概に今あげたものを悪い習慣だと言うつもりは全くありません。
では、どんなものを悪い習慣と考えたら良いのか。ここは誤解がないように整理しておきましょう。
ここでの「悪い習慣」とは、一時的な満足感は得るものの長期的な成長に繋がりにくいと自覚しているもの、としましょう。平たくいうと「わかっちゃいるけどやめられない」ものです。
いやいや、そんなものでももしかしたら大当たりしたり、バズったりするかもしれないでしょ?という人もいるかもしれません。
理解はできますが今回は「狙って投げたボールと、当てずっぽうで投げたボールどっちが的に当たるでしょう?」そういう基本的な考え方をベースにお話を進めます。
それでは、悪い習慣をやめる方法に話を戻しましょう。
無理にやめようとしない
人は変化に抵抗する
いくら悪い習慣といえど無理にやめるのはおすすめしません。やめようと決心したとしてもモチベーションは長くは続きません。
そもそも人は本来、安心、安定、安全を求めます。恐らくは人に限らず生物の生き残るための当然の戦略といえるかもしれません。
貴重なエネルギーはいざというときにとっておきたいものです。だからこそ現状からの変化に無意識に抵抗します。
「なんで私の自由を奪うの?」そんな感覚から自由を取り戻そうとする心の状態を心理的リアクタンスといいます。(参考:ジョーナ・バーガー著THE CATALYST等)
私はお酒を減らそうと思いましたが、やめるか続けるか、0か100か、そんな巷にあふれる方法論がしっくりきませんでした。
例えば
「禁酒を宣言する」
「禁酒がダメだった時に罰を設ける」
「同じ悩みを持つ仲間を集める」
などがそれにあたります。
もちろん全て有効だと思います。ただし始めに行う方法としては結果的に効果がありませんでした。
これらは私の中の心理的リアクタンスに抵抗するには(サボりたがりの私的には)相当な大きな意思力が必要でした。
意思力に頼らない
そうして意思力は消耗します。
意思力を使うとされる前頭前皮質で人は、抑制(*他のことを考えないようにする)想起(*思い出そうとする)、理解、判断、記憶を絶え間なく行なっています。(参考:デイビッド・ロック著最高の脳で働く方法)
果たして、
- 仕事帰りのストレスが溜まっている時
- 運動後の疲労が溜まっている時
- 友人の全く悪気のない飲みのお誘い
そんな時にも意思は貫けるでしょうか。
心身ともに疲れている時は少なからず来ます。
そんな時でも例えば、
- 固い意志で誓った禁酒の記憶を思い起こし(想起)
- お酒のことを頭から振り払い(抑制)
- お酒は飲むべきではないと(理解)
- 友人からの飲みの誘いを断る(判断)
ことが簡単にできるでしょうか?さらにそれがとても魅力的である。そうだとしたらなかなか難しいのではないでしょうか。
そしてこんなにエネルギーをかなり使うと理解したならばサボりたがりでなくても少しずつやる気は下がっていくものです。
だから、無理に意思力に頼ることはやめることにして仕組みを整えることを意識しましょう。具体的には習慣をつくる際のテクニックを応用することにします。
どういうことでしょうか?
それは・・
「悪い習慣をやめる生活習慣を身につける」と解釈を変えてしまいます。
禁酒の例であれば「お酒をやめる」という考え方自体を「易しく」します。つまり「無理にお酒をやめなくていいんだよ」と自分に言い聞かせる。
それがお酒をやめるはじめの一歩になります。
「無理に〇〇をやめようとしない」
これが悪い習慣をやめる際のサボりたがりならではの心の持ちようです。
工夫に目を向ける
サボりたがりの努力の中身を見つける
さて、サボりたがりは意外と努力をします。
どういうことでしょうか?
それは楽をする為にそれなりに工夫をする、ということです。別にサボりたがりではなくてもそれなりに工夫はしています。
例えば私はお酒が大好きです。特にビールが大好きです。そうして晩酌をする為にさまざまな工夫を無意識にしていました。
- なくならないよう24缶1ケースで買う。
- ビールを冷蔵庫で冷やしておく。
- 保冷タンブラーを用意しておく。
- お酒に合うつまみがある。
- クーポンはビールを買う為取っておく。
- 一緒に見たいバラエティ番組を録画しておく。
- 一緒に食べたい刺身が半額になる時間帯にスーパーに寄る。
・・などなど考えればまだまだありますが、お酒を最大限楽しむための工夫を散りばめていました。
お酒を飲む習慣を作るために無意識に魅力的になるよう習慣化のテクニックを使っていたわけです。そうしてそれはとても満足できるものでした。
好きこそものの上手なれ、といいますがこれらは案外と、そんなに意識せず行われます。
- デザートバイキングに行くためにお腹を減らしておく
- ゲームに集中するためにトイレを済ませておく。
- お菓子を準備してYouTubeを楽しむ。
夢中になっているので、あまり意識せず工夫していることが多いものです。だからこそ、あえてそこに意識を向けてみる。
自分が夢中でしていた「工夫に目を向ける」それが悪い習慣をやめる足掛かりになります。
ひとつずつ工夫をやめる
便利を不便に変える
そうして、そこまでできたなら後はゴールはすぐそこです。
見つけた工夫をひとつずつやめていくわけです。
まさにここはサボりたがりの真骨頂です。
「そんな工夫はやめちまえ!そんなことにエネルギーを使うんじゃない!」
「だって君はサボりたがりだろ?」
そんなやりとりがあるかどうかは置いておいて、サボりたがりだからこそやっていたことをやめることに抵抗感はありません。
わざわざやっていたことをやめるとは・・
- 楽天で最安値を探さないし、
- ケース買いもやめる。
- ビールは冷やさない。
- タンブラーも用意しない。
- つまみも買わない。
- クーポンもさっさと使う。
- バラエティ番組も録画しない。
- スーパーに寄らずさっさと帰る。
・・ということです。
便利を不便に戻す。そうするとどんな変化が起きるのでしょうか?
「今日は別にお酒を飲まなくてもいっか」
そうなる日が増えます。なぜなら、
- ビールは買わなければありませんし、(見えなくする)
- わさわざ買うにも値段は高い(難しくする)
- あったとしても冷えていない。(難しくする)
- つまみもなければ、刺身もない。(つまらなくする)
- 美味しく飲めるタンブラーもない。(つまらなくする)
最高の満足は、最高ではなくなります。(満足できないものにする)もちろん好きでやっていた事なのでそれなりの満足はあります。
だからモチベーションが高い時は、お酒を飲む時もあるでしょう。でも「お酒を飲まなくてもいっか」となる日も増えます。
そして、お話しした通りモチベーションは長くは続きません。そうするとどうなるでしょう。
お酒は減り、悪い習慣をやめる生活習慣が身につくわけです。これはストレスが最高だった2020年12月からの体重の変化です。
いきなりではなく、じょじょに緩やかに減っています。私は今でもお酒はやめていません。それでも確実に飲酒は減り、健康になっています。
それは、私が私のことをサボりたがりである事をきちんと理解して「易しく始める」ことを意識していたからに他ありません。
モチベーションを過信せず、習慣という仕組みに注力する事が遠からずいい結果に繋がる。
そう考え緩やかに悪い習慣をやめてみる。それが私たちにとって無理のないでも確実に結果を出すための方法になるのではないかと、そう思っています。
なにかをやめようとしても結局続かない、そういう経験があるならば自分に易しく今回のお話を試してみてはいかがでしょうか。
それが「自分に優しく」するきっかけにもなります。
最後にまとめです。
まとめ
- 習慣をやめるには習慣を始める時の逆のことを実践する
- 4つとは「見えなくする」「つまらなくする」「難しくする」「満足できないものにする」
- サボりたがりが習慣をやめるには「難しくする」ことが効果的
- サボりたがりだからできる3つの工夫がある。
- 3つの工夫とは「無理にやめようとしない」「工夫に目を向ける」「ひとつずつ工夫をやめる」
- 「悪い習慣」とは、一時的な満足感は得るものの長期的な成長に繋がりにくいと自覚しているもの
- 人は安心、安定、安全を求めるため変化に抵抗する。
- 意思力には限りがあるため、モチベーションに頼らず仕組みをつくることに力を入れる
- 「悪い習慣をやめる生活習慣を身につける」と解釈を変え「無理に止めようとしない」
- 意識せず夢中にしている習慣の「工夫に目を向ける」
- 工夫をやめ、便利を不便に変える。そうすると「今日は〇〇しなくてもいっか」が増える
- やめる日が増えることで悪い習慣をやめる生活習慣が身につく
どうでしょう、自分に易しくはじめ、自分に優しくする。そんな選択もいいものではないでしょうか?