活かす力

赤ちゃん返りの気持ち。大人にも共通する甘え方と生き方

娘の赤ちゃん返りはじまる。

「ついにはじまったよ、娘の甘えん坊が。いわゆる赤ちゃん返りってやつさ」

「しっかりした子供に育っていたから、少しびっくりしていると同時にどうしたものかと少し動揺している」

それは大変だね。赤ちゃん返りってのはあれだろ。下の子が産まれて、愛情が独り占めできないことで親の気を引く行動をとるってやつ。

「そうだね、2、3歳頃が多いって聞いていたから、もう終わったのかなと思っていたよ」

「どうやら、下の子が僕にも甘えだしたのが原因かもしれない。なにせ、娘はひいき目抜きでパパっ子だしね」

「赤ちゃん返りってのは、もっと甘えたいとか、自分に構って欲しいって思いからとる行動をとるらしい」

「そうして、娘の行動を否定せず、叱らず、どれだけ愛情や時間を注げるかってのが大事らしい。君もそう思うかい?」

そうだね、子供に対してどう接しようって点では全く同感だよ。気持ちを考えず叱るなんてのは逆効果さ。

「・・点では?なにか含みがあるね」

ただね、巷にあるような子供の行動全てを受け止めて、ってやつには物足りなさを少し感じている。ちょっと対症療法的なんじゃないかなって思うわけさ。

他人の考えを否定するつもりはない。あくまで持論さ。先人達の知恵の結集なんだから、結局そうしとけばいいのかもしれないけどね。

僕の考えはさ・・。

甘えたい時、甘えに応えたい時。

君の娘は甘え方をまだ知らない、だからそれを伝えてあげればいい。ただそれだけなのかなと思っているのさ。

この甘え方ってのはさ、0歳も5歳も僕らみたいな40歳のおっさんであってもたいして変わらないと思っている。

「そうかい?さすがにそれはないんじゃないか」

・・そうだね。君だって誰かに甘えたい時はあるだろ、そんな時赤ん坊みたいな振る舞いはするかい?

「するかよ」

そう、いい大人だ。そんなことしても相手の気を引けるどころか、迷惑がられるのがオチさ。

どうしても甘えたいって時はどうする?
或いは甘えてきた時に愛情で応えたいと思うのってどういう時だろうね。

「・・そうだね、その人がすごく頑張っていることがわかっている時かな・・」

うん、僕もそう思うよ。チャレンジしている、努力している、がんばっている、そんな人には応えたいと思うよな。

逆に、できるのにやらない、努力のかけらも感じない、サボっている、そんな人から甘えられたら怒りすら込み上げてくる。

わさわざ、僕の時間を奪うなってね。

損が嫌いでサボりたがりってのが人の性質だ。怒る、叱るは当然の振る舞いかもしれない。

ところで、それは年齢によって変わるもんだろうかね。人の性である以上あまり変わらないんじゃないかな、と思うのさ。

甘えたい人がとるべき行動。全年齢共通。

そう考えるとだ。5歳児が甘えるための方法も見えてくるってもんさ。

要は、赤ん坊の甘え方を真似るんじゃなくて、赤ん坊のアイデンティティや精神を真似ろってことさ。

「つまり?」

つまり、チャレンジし、成長し続けろってことさ。

赤ん坊は無意識だろうけど、ハタからみたら危なっかしいチャレンジを繰り返して日々成長してるわけだ。当然フォローもしたくなるさ。

そういった精神を真似するのが大切なんだってことさ。
まあ、40歳児にも当てはまるけどな。

「5歳児にはなかなか理解できないかもしれないよ」

そうだね。だから一般的な対応手法には賛成さ。

その上でどうやったら甘えられるのか、そこんとこをしっかり伝えないといけない。そう思うのさ。

赤ん坊が持っているアイデンティティや精神を理解して、真似るってのはとても大事なことだよ。

チャレンジスピリット、成長マインドって言葉もあるぐらいだ、0歳だろうが、5歳だろうが、40歳だろうが関係ない。

生きる上でチャレンジし、成長し続けるってのは一生かけてやっていいことさ。

だとしたら、そういうことを子供のうちから伝えていっても損はないと、そう思うんだ。

・・さて、他人の振り見て我が振り直せだ。

折角だから僕らもしっかり真似していこうじゃないか。赤ん坊のチャレンジスピリットと成長マインドをさ。

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