人と協力できる子になってほしい
協力に消極的すぎる子、積極的すぎる子
私は普段娘にこんなことを勝手に思っていたり、期待していたりします。
もっと、自分を信じて欲しい
もっと、チャレンジしてほしい
もっと、みんなと協力してほしい
そうして、大きな成果を掴んでほしい
まぁ親なら大抵そんなものかもしれませんね。子供のうちはなかなか気付くことができませんが、ひとりでできることには限界があるものです。
だからこそ娘には協力することができるようになってほしいとそう思います。とはいえ協力するってのは案外と難しいものです。
頼むのが気が引ける、とか、以前頼んだら断られたからそれから人には頼らなくなった、とか、協力しようとしたらお節介だと言われた、とかそういう場合もあるものです。
今日はそんな悩みを持つ人に向けたお話です。
- 自分の良さが周りの人にもっといい影響を与えられるのに、消極的な姿勢で協力を避け大きな成果が得られない。
- 自分を押し売りする、積極的な姿勢が、協力を拒まれ大きな成果が得られない。
私が、娘に対してなぜこのようなことを思うようになったのかというと私自身が協力に消極的でなんでもひとりでどうにかしようとする性格だったからです。
私自身は控えめで謙虚な子供でした。7人兄弟の長男という状況もあったかもしれません。
常に一歩引きサポート役に回ってお兄ちゃんとして周りの面倒を見るのが自然。そんな人生を送るうち、どうにも自分の意見主義、主張を消すことが上達したように思います。
誰かと何かを協力してやることになるとします。常に控えめで謙虚もいきすぎるとこうなります。
「いやいや、自分なんて・・」
「もっといい人いると思うよ」
今思い返すとそんな風に譲ることが多かったように感じます。
そう思うとやはり、
『消極的な姿勢で、大きな成果が得られない』
こんなことは私の後悔でもあります。
人は協力する生き物です。一人でできることには限界があります。だからこそ、周りと協力すること。これはとても大切なことだと思っています。
私自身はそうではありませんが、当然逆のパターンも考えられます。
『自分を押し売りする、積極的な姿勢が、協力を拒まれ大きな成果が得られない』
なんでもかんでも自分ならああする、こうする、いいから任せとけ、などというけれど気づいたら敬遠されているようなパターンです。
5歳の娘や1歳になる息子にはこういうことにも自分自身できちんと立ち回れるようになってほしいと願っています。
そのためにどんなことが伝えられるのか。
私自身はマーケティング的な考え方を応用し協力を得るための3段階の考え方を実践しており、今回はこれをお話ししようと思います。
それは、この3つの考え方です。
- 自分の強みにタグづけする
- 相手の幸せな未来を考える
- 結びつきを見つける
・・ところで人と協力する、とはどういうことでしょう。
人と協力するということは?
人と協力する、人に助けを求めるというのは、自分が持っていないものを相手に求める、ということです。
当然、協力を求められる側も同じことを考えます。この協力は自分にどんなメリット(良いこと)があるのだろうか?と。
なにかメリットを感じれば協力に応じます。
それが例えば、長期的な信頼関係であるならば即時の見返りがなくても協力に応じてくれる場合が多いものです。
家族や親友、付き合いの長い仕事の同僚などは、実はすでにメリットを与えている場合もあれば、いずれ恩を返してくれるでしょ、とある程度見込みも立つ間柄です。
最たる例が赤ちゃんです。赤ちゃんの愛くるしさ、愛おしさ、可愛らしさは、存在そのものにいろんなものを与えられていますので、誰しも大抵は赤ちゃんへの協力(育児の手間)を惜しみません。
ところが、その場だけの短期の付き合いや、見返りの見通しが立たない場合はなかなかうまくいきません。見返りが得られるイメージができないためです。
人に協力を仰ぐ際に大切なことは、自分に協力することがその人にとってメリットになる。そんなイメージを掴みやすくすることです。ただ単に自分のメリットだけで協力を押し付けてたとしても上手くはいきません。
『相手のしたいことを考えよう』
これはデール・カーネギーの『人を動かす』という著書の言葉ですがまさにその通りだと言えます。
自分の強みにタグづけする
そのための考え方が、自分の強みにタグづけする、ということです。
タグ付けとは、TwitterやInstagramなどに使われるハッシュタグの使用イメージです。例えば、「#キャンプ」と検索すればキャンプの多数のツイートや投稿画像をかんたんに見つけることができます。
これを自身の強みに応用します。例えば、私の場合なら、
#マネジメント経験
#1000時間以上の面談経験
#育休での子育て経験
#ブログ経験
#協調性
#公平性
#キャンプ
#コーヒー
などです。チームワークが必要な仕事ならこの人に協力してもらったら大丈夫そうかも、少なからず穏やかそう、そんなイメージが湧きませんか?
大切なのは、
- 相手に見つけてもらいやすくする。
- 相手に必要だとイメージさせやすくする。
ことです。
とはいっても「俺なんて」と思ってる人、「俺しかいない」と考えている人には自分を客観的にみることが最初のうちは難しいと思います。そういう時は、
- 普段から習慣的にやっていること
- 誰かに頼られた時のこと
こんなことから探してみることがおすすめです。
そうして、強みにタグ付けしてみる。
こうすることで、双方にとって有益な協力関係が築きやすくなります。
これらの考え方は、村上 臣著「転職2.0 日本人のキャリアの新・ルール」にある基礎的なものです。転職やキャリアアップを考えている方は読んでみてもいいかもしれません。
私は、というと子育てに応用が効かないだろうか?そんな目線で読んでました(笑)
相手の幸せな未来を考える
さて、自分の強みを客観的に理解できたとしても、それが相手のメリットに繋がらなければ、協力したくないな、近寄りたくないな、になります。
協力する上で大切なのは、相手に「自分にとって見返りがある」と思ってもらうことです。
そういう意味では、商品やサービスと本質的には同じです。これを買うときっと私の生活が便利になる、豊かになる、幸せになれる。
そんな幸せな未来を意識的に想像、あるいは無意識的に感じ取り購入します。協力関係も似たようなものだと考えることができそうです。
私はつい最近、キャンプ用にトヨトミのレインボーストーブという石油ストーブを買いました。
これ買ったらきっと、
「テントの中がかっこよくなる!」
「今までよりもぬくぬくできる」
「炎をみて幸せな気持ちになれる」
そんなことを夢想してました。ああ、ほんとに買ってよかった。そのあと一歳の息子が大火傷をしたことを除けば、ですが。
・・最後の思いはおいといて、商品やサービスを買う際のこうした「幸せな未来」のことをマーケティング用語で「ベネフィット」と言います。直訳すると利益です。
協力関係にも同じことが言えます。
自分のしたいことを考える前に、相手のしたいことを考える。
「相手の幸せな未来を考える」
こう考え方を切り替えるだけで伝え方も変わるものです。
それにしても、マンガやアニメに「それ、僕にとって何のメリットがあるの?」という憎たらしいキャラがたまにいますけど、ある意味一番人間らしい反応なのかな、と思ったりもします。
こんな人を振り向かせる、それができるキッカケになる考え方なのではないかと思います。
結びつきを見つける
ここまでくると、消極的な姿勢、積極的な姿勢がうまくいかない理由も見えてきます。
自分の強みと相手の幸せな未来がマッチングしないからです。
大切なのは「マッチング」という事実です。
- どうにかかっこよくみせて好きな女の子に振り向いてもらおうとする。
- 時間が圧倒的に足りないのに出世のチャンスとできない仕事を引き受けてしまう。
自分の強み以上に背伸びをしても、背が伸びるわけではありません。本当の自分はすぐに知られるだろうし、遠からず結果も出るでしょう。あまり良くない方にです。
大切なのは、自分の強みと相手の幸せな未来がどう結びつくのかを考えることです。
決して、背伸びすることでも、自分なんてと遠慮することでもありません。でもそう考えると気が楽なりませんか?
「全員に好かれることなんてないんだ」
「あいつにできてなぜ私にできないんだ」
と考える必要がなくなるからです。強みは伸ばすことはできます。伸ばす方向次第で強みを変化させることもできます。
ただそれはすぐに叶うものではありません。一日一日の積み重ねによる学びがものをいいます。
だから今この瞬間に悲観するのではなく、未来の自分がどうなりたいのか、今の自分はなにをしたいのかに目を向けてみましょう。
そのためにも、自分の強みと周りの幸せな未来がどう結びついているか知ること。これは未来の自分をどう育てるか知る大切な機会です。
今、この瞬間の自分を知ること。
はじめの一歩はここからです。自分を知る、そうすれば自分を活かす方法も見えてきます。
学び、強みのタグが増えれば、他人と協力する繋がりも増える。私自身はそのように考えています。
なにより、今この瞬間の自分を大切にする。それが現在の私に取ってもっとも大切なことです。
それでは、最後にまとめです。
まとめ
- 人の協力を得るには、マーケティング思考が有効。
- 世の中には、自分の良さに気づかず消極的な姿勢で協力を得られない人と、自分の良さの押し売りで相手に協力を拒まれる人がいる。
- 協力を得るためには「強みのタグ付け」「相手の幸せな未来を考える」「自分の強みと相手の幸せが結びつきを見つける」ことが大切。
- 協力とは、自分の強みと相手の利益を繋げること
- そのために、自分の強みを見つけ、タグ付けをする
- そのために、相手のしたいこと「幸せな未来」を考える
- そうして、強みと幸せな未来が結びつけられるか考える
- 必ずしも全員と協力できるとは限らない。
- マッチングの結果なので、私はできないと悲観する必要はない。
- 今、この瞬間の自分を知り、自分の強みをどう育てるか、それが協力を得るために大切なこと。