知る力

キャンプとミニマリスト。末長く付き合うギアの選び方

キャンプとミニマリスト

今年も今日で終わり、最後はキャンプの話でもしようと思いました。

キャンプの際、車の荷台にきれいに積み込まれたテントやキャンプ道具たちをみるといつもこう思います。

「最高に美しい」

あほかと思われるかもしれませんが、本心です。上の画像もそれなりに工夫がたくさんあるんですよ。キャンプ用語のひとつに「シンデレラフィット」と言う単語があります。

異なるギアが無駄なく収納できた時に使われる言葉です。車の荷台にも同じくこの言葉が当てはまります。

シンデレラフィットに関しては、収納の調和という点のみの印象がありますが、車においては、収納量という問題が常につきまといます。

最低限必要なものはなにか?
どんな価値観を持ち込みたいか?

食料品などの消費と日常から離れた幸せを感じる浪費。

これを限られた範囲でバランスを取り持ち込まなければならない。この「大切なもの」だけに絞り込む過程が「ミニマリスト」に通じるものがあります。

脳内では、娘にはソロ用テントを買い与えることが決まっていますが、今回は、キャンプで学べるミニマリズムというお題で、お話ししていきつつ、キャンプ初心者への購入アイテムの提案をしていこうと思っています。

ミニマリストとは・・

「ミニマリスト」とは、自分にとって本当に必要なものだけに絞り、最小限の物で暮らす人のことです。

一般にはこうですが、私の解釈は、物だけではなく、行為(事)そのものや、情報など無形のものも含んでいます。

一般の家庭には、30万個もの物があるそうです。また、SNSやインターネットの普及により、Twitter、インスタグラム、Facebook、LINE、チャット、メッセンジャーなどありとあらゆる媒体から情報が噴出してきます。今までにない位情報と接する機会が増えています。

自宅にいても会社から遠慮なく連絡が入ります、当然レスがくるよね?という期待感がまかり通っているのが危うさを感じます。携帯ない時代に行きたい、と思う瞬間ですね。

大切な物や、事、情報を取捨選択しなければ、それらの海で溺れてしまう

このような状況だからこそ、ミニマリズム(最小限主義)に注目が集まるわけです。

キャンプの収納とミニマリズム

キャンプでは、収納スペースという制限が否応なしに大切なもの、大切なことを絞り込むよう求めてきます。

君はキャンプで・・

  • 何が食べたいんだい?
  • 何をしたいんだい?
  • 誰と過ごしたいんだい?
  • どんな時間を過ごしたいんだい?
  • どんな空間にいたいんだい?

ただし、最初のうちはそれになかなか気づくことはありません。ギアも揃っていないので、自分が欲しいものをばんばん買っても意外とどうにかなるからです。

それから、通称「キャンプ沼」に入っていきます。あれもほしい、これもほしい、とギアを増やすうちに気付くわけです。

「あれ、入らんな」と。

そこからようやくさっきの問い掛けに対する自問自答のはじまりです。

「寒い夜のカップラーメンが食べたい」
「焚き火は譲れない」
「家族で行くのがなんだかんだ楽しい」
「のんびりと、ただのんびりと」
「波打ち際、静かな空間がいいな」

『モラップ(支笏湖)に行こう』となったりするわけです。本当に大切なことはなんなのか?とミニマライズを考えさせられるわけです。

本当に大切な物、譲れないことだけを携えて生きる。ミニマリストの思考と本質的には一緒です。

私自身は、この積載量に悩まされることがキャンプをしていて、本当によかったなと思う経験です。

車の積載量を、人のメンタルや意思力に置き換えてみると、情報過多のこの時代では、「キャンプ沼」もとい「SNS沼」に溺れてしまいそうだ、と感じます。まあ、私は抑うつになりましたしね(笑

ただ家にいては気づきにくい。スマホにはありとあらゆる情報が便利に保存、アクセスできる、こんな状況はあまりいいとはいえません。

娘の息子には、便利すぎる世の中において、早く気づきを得てほしいので、早いところソロキャンプさせようと思ってます。

最初はソロ装備でのパパとのデュオキャンプですね。

それにしても、登山家やソロキャンパーはもっと早い段階でこの境地にいるんだろうな、と思います。

長く付き合えるキャンプギア

ここまでくると少しどんなものを買えば良いかイメージが湧いてきたのではないでしょうか?

  1. キャンプをしてみたい!
  2. キャンプ沼に足を突っ込む
  3. 積載の問題に悩まされる
  4. 本当に大切なものを見極める

どうでしょう。人それぞれだとは思いますが、大きくはこの2つのバランスです。

  • 必要最低限の機能とコンパクト収納
  • 収納?知らん!これが私の幸せだ!!

いうならば「ミニマルギア」と「ハッピーギア」とでも呼べそうなものです。

食べ物も、ギアも、幕(テント)にも全て当てはまります。

そして、これは実生活でもそのまま応用できます。家計上の消費と浪費のバランスに近いと思います。

本当に大切な物は次第に見つかっていきます。結局「キャンプ沼」には大なり小なり入ります。私もそうでした。

ひとつ気になるものが見つかると、一貫性をもって揃えたくなる。これを「ディドロ効果」といいますが、人間の性です(笑

だからそれを踏まえて、未来を見越して準備するなら・・

最初に選ぶギアは、ミニマルギア。
悩んだ時は、ミニマルなもの。

こうするのも良いのではないでしょうか?

「キャンプ沼」の過程でミニマルでハッピー、そんなギアが見つかったら最高です。

もちろん、たまのグランピングも夢があっていいですよね。人によって状況や背景、期待や要望も変わります。

だから、セレナやハイエースなど大型車に乗り換えて積載量を増やす。実用性は低いけど満足度は高い、そんなものをあえてコレクションごと持って行くのも側から見てて楽しいです。

夜、沢山のランタンに囲まれたサイトを見ると思わず足を止めて見たくなります。

こういうキャンパーは、沼でもがく方法を熟知しているベテランキャンパーさんの印象がありますので、最初のうちは「ミニマル」志向がいいのでは、と思います。

私のミニマルギアとハッピーギア

沢山ありますが、象徴的なものをひとつずつ。

ちょうど、この画像に全て揃ってます。

ひとつは、ミニマルギアとして長くキャンプに君臨し続けている。SOTOの「レギュレーターストーブ (ST-310) 」です。

SOTOレギュレーターストーブ

カセットガス缶で使えるリーズナブルさ。足を畳むとマグカップよりも小さく収納できるミニマルさ。

火力が申し分なく、二つ横に並べればツーバーナー的な用途でも使えます。ツーバーナーのガスコンロを持っている家族とキャンプに行く時、いつも楽しているなー、と思っています。

片付けや準備に時間をかけず、焚き火の前でゆっくりとした時間を過ごす、これをさせてくれるのがこいつです。

波打ち際に小テーブルと一緒に持っていけば、コーヒーのんだり、カップラーメン食べて幸せに浸れます。携帯性も欠かせません。

もうひとつは、ハッピーなギアの方です。

YOKAのL字型テーブルも嵩張るし組み立ても大変なのに毎回持っていく大好きなギアなんですが、流通量が少ないので、カリタの銅ポット(0.7ℓ)です。

カリタ銅ポット

細いお湯が出せる、熱伝導性が高い、有名珈琲メーカーが出している。そんなところも良いとは思いますが、私は、これで珈琲をドリップしている瞬間が幸せなんですよね。

20年前珈琲屋さんで働いていた時、1.5ℓのサイズ違いを使っていました。6枚くらいオーダー票が並んだ時は、どれだけ効率的に美味しい珈琲を淹れるか、と燃えたもんです。

今でも常連さんの顔が思い出せます。

昔の思い出をトレースできるアイテムもいいものです。そういうわけで、クッカーでお湯を沸かして淹れてもいいんですけど、私はこちらです。

さて、みなさんにとっての、幸せとはどんなものでしょうか。

ミニマリストに関してはこちらの記事も参考になります。

「捨てる」ことの真実。自分が活きる5つのメリット ・省エネによる自分の活かし方 ・所有しないことの意義 捨てるということ 「片付けないなら捨てるよ」これは私が娘によ...

キャンプとミニマリスト、そんな話題で話し始めましたが、キャンプにせよ、人生にせよ、本当に大切なものやこと、人を身近に暮らしていけばとても幸せなことですよね。

それでは、良いお年を。
そうして、来年も良いキャンプライフを。

木陰キャンプ よしやす