ネガティブで神経質なことは個性の一要素。
「ぼくはなにもするにも不安なんだ」
「みんなぼくを嫌いなんだ」
「きっと成功しない」
「ぼくにはそういった気持ちがつきまとうんだ。正直もっと楽しい気持ちでいたいと思う」
「こんなネガティブな気持ちでいいことなんて何もない。友達だって嫌気がさすにきまってる。いったいどうしたらいいんだろう」
・・・それは大変そうだ。不安、嫌だ、辛いとかそういったネガティブな心でいっぱいになると、気持ちも沈んでしまうものね。
確かにそんなことは考えない方が楽かもしれない。もしかしたら君はそういったことに敏感なのかもしれない。
でもね。ネガティブなことにすぐに反応してしまう君の気持ち、これは神経質傾向という人の個性を形作る大切な要素のひとつでもあるんだよ。
そうして、この傾向は誰にでも強弱の差はあれ存在するものなんだ。
・・だからね。闇雲にどうすべきかを決める前に、自分の個性ってものがどんなものなのか知ってみたらどうだろう。
それからどうするか決めても遅くはないよ。その方がもっといい判断ができる。聞いてくれるかい?
「うん」
さっき話に出した神経質傾向っていうのは、ネガティブな事柄への反応の強さのことを言うんだ。つまり君は、嫌なこと、否定的なことに敏感だってことなんだ。
「否定できないよ。その通りだね。そしてそれはあまりいいことがない」
ところがだ。一要素としてある以上きちんと役割がある。
一見いいことなさそうな、この神経質な心の動きが利益にもなるんだ。
「そんなこと信じられないよ」
そんな受け止め方すら利益になりうる時もある。
・ネガティブで神経質は、誰もが持つ個性。
・神経質傾向はネガティブな事への反応強度。
・神経質傾向:
高い=ネガティブに敏感 低い=鈍感
・神経質であることは良い事もある。
神経質であることが良い時。
神経質な傾向ってのはさっきも言った通り誰にでもあるものさ。
君だけ特別だってわけじゃない。
怖いとか、悲しいとか、そういったネガティブな感情はね、なにも本人の神経質な傾向からくるだけじゃない。
仲のいい友達がいない学校、残業続きの職場、断崖絶壁にかかる吊り橋とか、そういった環境にも左右されるのさ。それはなんとなくわかるかな?
「そうだね」
君の神経質な傾向はたとえて言うなら、大地の高ささ。
そうして、君の置かれた環境が周りにある海だ。
たとえば、残業続きの辛い職場。そういう大きな津波が押し寄せてきたとしてもね。標高の高いところ(鈍感)なら全然へっちゃらなわけだ。
逆に低いところ(敏感)なら大雨ですら一大事。家まで浸水しエライことになる。神経質だってのはそう言ったことに敏感だってことだ。
「なんだか、いいことないね」
そうかい?でもちょっと考えてみてほしい。
低いところに住む人が毎回大雨で苦労すると思うかい?
雪が降る町に住む人が毎回大雪に苦しんでいると思うかい?
そういう人たちはね。みんな真っ先に対策するのさ。
苦労を知らない人を横目にね。
僕は雪国生まれだ。色々気づくよ。
除雪用の路肩がつくられている。冬用の靴、タイヤがある。除雪用のスコップは常備され、長期の外出時は凍結防止に水抜きする。
しまいに、転ばないような歩き方すらできる。遠くからブラックアイスバーンを見抜くこともできるようになる。
アイスバーンは気づかなかったら大事故さ。
雪道で転んだら骨折するかもしれない。骨折しなくてもちょっと恥ずかしい思いをする。
そういうネガティブなことに神経質になれるってのはさ。
誰よりも真っ先に対策をとることができるってことなんだ。
もちろん、限りなく起きる可能性が低いことを、心配するのは行き過ぎかもしれないけどね。でもね、神経質な方が学業の成績が良いっていうデータもあるんだよ。
・神経質傾向+周囲の環境=ネガティブ感情
・ネガティブだから誰より先に対策を取れる。
チームでの存在意義。命を救いうる役割。
煙探知機とかガス警報機に例えられることもある。
僕はよくキャンプにいくんだけどね。寒くなり始める秋には石油ストーブをもっていくのさ。テント内で使うこともある。もちろん換気はするけど絶対じゃない。
一酸化炭素中毒で死ぬのは怖いからね。ガス警報機を二つもっていくのさ。外向的な趣味で随分神経質だろ。でも代償が命なら必要なことだと思っている。
これはね。チームの中の君の存在意義になる。
神経質ってのは時にチームを危機的状況から救う役割を担うのさ。君という性質が持つ利益、これは確かに大切なんだ。
・神経質傾向な人は、問題に真っ先に気付く。
・神経質でネガティブだから、チームの中に存在意義がある。
神経質でネガティブな自分を活かす。
だからね。それを踏まえて、自分を知る。
そうして自分を活かすためになにをするか考えてみる。
うまくいかないと嘆くのは、まあそれからでもいいのさ。
さあ、ネガティブで神経質だってことは、ポジティブにもなるだろう。
無理にポジティブになる必要はない。
でも、ネガティブになりすぎる必要もない理由がある。
ただ、君のその個性をよく理解し、使うべきところで使う。
それを考えてみようということだ。
どうだろう。できるかな?
「きっと成功しない」もしも君の中でそういう考えが生まれるならば否定はしない。
君の思考は、神経質傾向が強く配線されただけのプログラムだと少し解釈を変えてみればいい。少しはフラットに考えられるはずさ。
時間はたっぷりある。自分を活かす方法をゆっくりと考えてみるといい。
・自分を知ることが自分を活かすことに繋がる。
・ネガティブで神経質はポジティブにもなる。
・自分の個性を活かす方法を考える事が大切。