学ぶ力

自分を動かす。習慣にしたい事をはっきりさせる

・習慣をつくるための効果的な方法
・習慣化を邪魔する心理的なハードル

習慣にするため続けたいことをはっきりさせる

なにかひとつのことをずっと続けたい。
そう思うようなことはありますか?

どうでしょう?

勉強
運動
読書
料理
縄跳び
鉄棒
例えば、得意にしたいなにか

・・なんでもいい。

もしも自分でなにかをずっと続けたいと思ったのなら、そういう時は、

習慣を「はっきりさせる」

今日はそんな話をしようと思います。

これは「習慣」を作るための話です。

はっきりさせるといってもなにがなんだかわからないかもしれないですね。

「はっきりさせる」とは、いつやるのか、どこでやるのか、どうやってやるのか、そんなことをわかるようにするということです。

さて、夢中になれることだったら、続けるのはかんたんかもしれないですよね。

でも・・

夢中になれないもの
何のためにやっているのかわからないもの
めんどうくさいもの

こんなのはなかなか続けられない。
僕もそうです。

でも続けなきゃいけない。
そうだとしたら、どうしたらいいと思いますか?

ヒントはさっき言った「はっきりさせる」ことです。

さてどうでしょう。
どんなことをすればいいと思いますか?

これから、四つの工夫を順を追ってお話したいと思います。

その四つ、

いつ、どこで、やるのか?
積み上げる力
いたるところにそれはある
心は場所に宿る

以上の4つです。
さて、ひとつずつ、少しずつ話していきますね。

・なにかを続けたいなら習慣をはっきりさせる
・「はっきりさせる」とは、いつやるのか、どこでやるのか、どうやってやるのか

習慣を、いつ、どこで、やるのか?

自分が毎日続けたいこと、つまり習慣にしたいことを、

いつ、どこで、やるのか決める

それだけで、やれる可能性はぐっと高くなります

これは実際に実験してみた結果のお話しです。
えらい科学者さんが学生さんに向けてやった実験にこんなものがあります。

284人の学生さんに14日間で運動の習慣を作るため3つのグループに分けて習慣をつくる実験をしたそうです。

さて、どのグループがいちばん運動ができたと思いますか?

❶運動したら運動の記録だけとるグループ
❷運動したら起きる良いことを教えてもらったグループ
❸運動したら起きる良いことを教えてもらって、いつ、どこで運動するか決めたグループ

友達に当てはめてみてもいいです。

Aちゃん、Bさん、Cくん、そんなふうに当てはめた方がイメージが湧くかもしれません。

さて、どうでしょう。多分みんなが思った通り、

❸の人たちだと思いますよね?
なんだか、言われていることも多いですしね。

そのとおりです。正解は❸です。

つまり、運動したら起きる良いことを教えてもらって、いつ、どこで運動するか決めた人たちがもっとも多く運動がしました

結果はというと、

❶と❷の人たちは、少なくとも3人に1人くらいは週に一回運動をしました。

でも、❸の人たちは、10人中9人が、週に一回運動をしたそうです。

・いつ、どこでやるのか、それだけでやる可能性は高まる

やる気が習慣に与える影響

それにしてもなんともつまらないクイズだと思いませんか?

でも、このクイズにはポイントがもうひとつあります。
それはなんでしょうか?

・・それは、❶と❷の人たちの結果に違いがなかったということです。

みんなはどう思いますか?

何も聞かされないでやるよりも、
運動したらこんないいことあるよ!

ってわかった方がやる気がでそうだと思いませんか?

ところがそうはならなかった。これはつまり、

やる気は、続けるための力にはならないということです。

まったく役に立たないというわけではありません。
やる気があるから始められるわけですからね。

でも、そんなに意味はなかったということです。

誰もがやる気があればどうにかなると考えがちです。

習慣をつくる上でこんなまちがった思い込みをほっといたら続けたくても続けられません

だから、間違った思い込みを知っておくことは大切なことです。

やる気だけに頼ったらうまくいかない

これも一緒に覚えておきましょう。

そうしてうまくやる方法は、

いつ、どこで、やるか決めることです。

これが習慣を長続きさせるコツです。

専門用語で実行意図(じっこういと)と言いますが別に覚えなくても構いません。

人はこんなふうにすると動くんだということがわかれば問題ありません。

・やる気は、続けるための力にはならない
・誰もがやる気があればどうにかなると考えがち
・やる気に頼らず、いつ、どこでやるか決めることが大切

いつどこでやるの?と言われるとなんだか嫌な理由

ところで、「いつ、どこでやるのか決めなさい」って言われたら嫌じゃありませんか

たとえ実験の結果いちばん効果があるんだ!と言われてもなにか反抗したくなりませんか?

割り切ってできる人は大丈夫です。
でも僕はちょっぴり反抗したくなりました。

親に言われる
先生に言われる
会社のえらいひとに言われる

誰に言われてもそうですが、やることを「はっきりさせろ」と言われるこの方法が心の中ではあまり好きじゃありませんでした。

理由がわかるまではの話です。

さて、3択クイズです。
なぜ反抗したくなるのでしょうか?

❶自由が奪われたような気になるから
❷命令された気になるから
❸信頼されていないような気になるから

正解は、

自由が奪われたような気になるから

なんです。

もちろん、あまり仲が良くなかったら、命令されたように気になったり、信頼されていないと感じたりするかもしれません。

でも、仲が良くてもどうしても嫌な気分になってしまいます。
それはいったいなぜなんでしょう?

それは、自分の自由がなくなるんじゃないかと思うからです。

ひとはもともと楽なことや安心することが大好きです。
そして、損をすること、自由を奪われることが大嫌いです。

だから、わざわざ面倒なことをさせられると感じると無意識にこう感じてしまいます。

「なんで僕の自由を奪うの?」
「今のままじゃダメなの?」
「なんどか言ってる意味がわからない」
「ほんとにそれは正しいの?」
「あなたのこと信用していいの?」

これはもうどうしようもなく、人であればみんなそう感じてしまうことです。
自由がなくなると嫌なのは赤ちゃんも一緒です。

だから、いつ、どこで、やるの?という問いかけは自分から自分に伝えてあげてください

人に言われるより、自分の意思で自分に伝える。
そうすれば自分の自由はなくなりませんからね。

こうすることで、前よりももっと前向きに「はっきりさせる」ことができるようになると思います。

・いつ、どこで、やるの?と言われたら誰しも少し嫌な気分になる
・人は楽なこと、安心できることが好きで、損をすること、自由を奪われることが大嫌い
・いつ、どこで、やるの?という問い掛けは、自由が奪われる気がする
・だから、自分が自分に問い掛けることが大事。そうすれば自分の自由はなくらず「はっきりさせる」ことに取り組める

さて、「はっきりさせる」だけでずいぶん話が長くなってしまいました。

今日のお話しはここまでにしようと思います。

続きはまた次回お話しします。
なにかみんなのためになるお話ができていれば嬉しいです。

それではまた次回「積み上げる力」からお話ししていきます。