学ぶ力

習慣を作りたいなら「いつも座る椅子を替える」

習慣のきっかけになる環境を変える

普段座る椅子を替えると習慣を作る事ができる。

今日は習慣をつくるためのコツをお伝えするお話です。

結論から先に言うと、習慣を作りたいのなら

「習慣のきっかけになる環境を変えましょう」

環境を変えることの例として椅子をあげましたが、椅子は様々な目的で使われます。

食事をする椅子
勉強をする椅子
テレビを見る椅子
仕事をする椅子
リラックスするための椅子

どうでしょうたくさんありますね。
「いつも座る椅子」というのは、なにかの習慣を始めるきっかけになりやすいものです。

もしも新たに習慣を作りたいのなら、まず最初にしなければならないことは、現在の習慣を新しい習慣に置き換えることです。

時間がないのに、新しいことは始められませんからね。

そのためには、
習慣のきっかけになる環境を変えることが大切です。

それがいつも座る椅子であったり、生活する場所やもの、空間に当たります。

・習慣づくりのはじめの一歩は今の習慣と置き換えること
・習慣のきっかけになる環境を変えることが大切

習慣に重要なのは行動ではなくきっかけの理由

なぜ、行動そのものではなく、きっかけを変えるのでしょうか?

例えば、こんな習慣が実際にあるとします。

学校から帰ってきたらソファに座り、テーブルにあるリモコンを取ってテレビをつける。

見たいチャンネルを見つけたら、ポテトチップスの袋を開けて、飲み物をグラスに注ぐ。

そうして姿勢をやや崩して、リラックスしながらバラエティ番組を思う存分見る。

我が家の光景のひとつです。この場合、「バラエティ番組を思う存分見る」という習慣のきっかけはソファに座ることです。

ソファに座ることがスイッチになり、満足できる結果を得るために最適化した、つまり楽しむために工夫に工夫を重ねた行動が始まります。

習慣とはかんたんにいえば、満足できる結果を得るための信頼できる解決法です。

最初の内は楽しく見るための準備に時間がかかったかもしれません。でもだんだん慣れてきます。

一息つくために最初にソファに座る。お菓子は手を伸ばせば届く収納に放り込んであり、冷蔵庫には常に飲み物のストックがある。

そんな楽しむためのたくさんの創意工夫は、最短かつ楽に満足できるようにするためどんどん効率化していきます。

もはや一連の動作全てが習慣に関わっています。

ですから、もしも「テレビを見るのをやめればいいだけでしょ」と乱暴に取り組んだとしても習慣を止めることはできません。

ソファに座った瞬間に身体に刻み込まれた習慣は、意識せず行動を開始することでしょう。

これでは、今の習慣をやめることは難しくなります。

モチベーションや意志の力で最初の内は、なんとかできるかもしれませんが、それはずっと続くものではありません。

ですからこう憶えておきましょう。

「習慣は行動そのものではなく一連の行動や環境に宿る」

だから、意識せず習慣を置き換えるには、習慣のきっかけになる環境を変えてあげる必要があるのです。

それが「いつも座る椅子を替える」といった意図です。

・習慣とは満足できる結果を得るための信頼できる解決法
・習慣は行動そのものではなく一連の行動や環境に宿る
・習慣のきっかけになる環境を変えてあげる必要がある

動物の習慣。満足いく結果は繰り返す

ちなみに人間同様、動物にも習慣はあります。

心理学者のエドワード・ソーンダイクは1898年、動物の行動について猫を使った実験をしました。

パズルボックスと呼ばれた装置。そこに猫を1匹ずつ入れます。

箱から脱出するためには、

ヒモを引く、
レバーを押す、
板を踏む

などのきっかけが必要です。箱に閉じ込められた猫はどうにかして脱出を試みます。

しかし、箱に入れられた猫がいきなりヒモを引いて扉を開ける。
そんなことは当然ありませんでした。

最初の内は当てずっぽうに動き回り、たまたま動いた仕掛けで脱出する。そんなことの繰り返しでした。

ところがそれを30回も繰り返すと、猫の脱出行動は習慣になり、脱出までの手順は徐々に短くなっていきました。

始め15分掛かっていた脱出時間は、最後には平均6秒程度にまで短くなったそうです。

この結果からわかったことは、

「満足いく結果に繋がる行動は繰り返されやすい」

「不快な結果を生む行動は繰り返されにくい」

ということでした。猫にとって習慣となった脱出は、失敗と工夫の繰り返しで最適化されていったわけです。

これからもわかるように習慣とは行動のひとつを切り取ったものではないということです。

努力と工夫の結果が習慣です。ひとつの行動だけ変えても習慣は変わりません

一連の行動のきっかけ、つまり「いつも座る椅子を替える」そんな習慣のきっかけを見つけることが大切です。

・習慣は工夫により効率化、最適化される
・満足いく結果に繋がる行動は繰り返されやすい
不快な結果を生む行動は繰り返されにくい
・ひとつの行動だけ変えても習慣は変わらない

さて、今回のお話はこれでおしまいです。

皆さんも良い習慣を作るために、今ある習慣のきっかけを見つけてみてはいかがでしょうか?