伝える・繋がる力

お願いしても拒否される5つのイヤイヤ心理 〜伝える力〜

お願いされると身構える心理。伝え方の話

みなさんは誰かにお願いごとをした時・・

嫌な顔をされたことはありませんか?
或いはそこまでいかなくても一瞬顔が強張ったことはありませんか?
笑顔で受けようとして一瞬目が泳いだことは?

私はあります。初めに珈琲屋でアルバイトしてから20年間モットーは笑顔で応じる。

そんなふうに思っていても誰かに何かをお願いされそうになると、心が身構えることがあります。

今日は「なぜ人はお願いされると身構えてしまうのか」というお話です。

相手を拒否する心理を知るだけでも、相手への伝え方を工夫できるようになります。

そして、相手の心を変えることが前よりかんたんに感じられるようになると思います。

童話「北風と太陽」の太陽はなぜ旅人のコートを脱がせることができたのか?そんなこともわかると思います。

なぜ身構えてしまうのでしょう?
それではお話していきましょう。

・相手を拒否する心理を知ると・・
・伝え方を工夫できる
・心を変えることが前よりかんたんになる

お願いされると身構える5つのイヤイヤ心理

結論からお伝えすると、人には5つの心理的なイヤイヤ反応があるからです。

いったいどんなものでしょう。それは・・

「なぜ自由を奪うの?」
「今のままじゃダメなの」
「そんなの全く理解できないよ」
「ほんとにそんなこと起きるの?」
「なにか証拠はあるの?」

の5つの反応です。気持ちと言ってもいいかもしれません。

それではひとつずつみていきましょう。

「なぜ自由を奪うの?」

専門用語で「心理的リアクタンス」と呼ばれています。
人は「なにかする」「なにか選ぶ」といった自由を奪われそうになるのが大嫌いです。

だから自分に自由があることを確認しようと反発します。
例えば「うるさい!もっと静かにしなさい!」と叱ったらもっと大音量で騒ぎ出すなどです。

「こっちに聞こえない範囲でなら幾らでもうるさくしてもいいよ」といった制限の中に自由を与える方法がこちらの要求を汲んでもらうのに良いと言われています。

「今のままじゃダメなの」

人は今持っているものや方法を大切にします。それを心理学の言葉で「保有効果」といいます。わざわざ手放したり、違うことをやってうまくいかなかったら嫌ですからね。

そうして「動かざること山の如し」そんな頑なな対応をとるようになります。そんな時は動かないことが損なんだよと教えてあげることが効果的です。

「そんなの全く理解できないよ」

全く理解できないことに直面すると気持ちに拒否反応がでます。「心理的距離」がありすぎて、全く耳を貸してくれなくなってしまいます。

そんな時は、相手がわかる範囲、許せる範囲の小さなことから伝えたりお願いすることが有効です。

「ほんとにそんなこと起きるの?」

将来「何が起こるかわからない」そんなことを「不確実性」といいます。誰だって無駄なことはしたくないから「間違いないよね?」と確約を欲しがります。

ガラケーの人に「スマホに変えると便利になるよ」と説明してもなかなか伝わらないのと同じ感覚です。

「無料で交換できるから変えてみようよ」そんなチャレンジを簡単にすることが一歩を踏み出すきっかけになります。

「なにか証拠はあるの?」

相手がどんなに知識があって頭が良かろうと関係ない。人は自分が見知っているものは信じるけど、想像できないものは「ほんとなの?」と疑って証拠を欲しがります。

損はしたくないですし、余計なエネルギーも使いたくないからですからね。

だからそんな時は「ほーら、こんな信頼あるデータがあるんだから間違いないでしょ」と「補強証拠」を用意することが疑り深い誰かを動かすヒントになります。

ちなみに今回の話は、ペンシルバニア大学ウォートン校教授のジョーナ・バーガーさんの著書「THE CATALYST」を参考にしています。

これだけでも少し聞く気になりますよね?

・5つのイヤイヤ心理
「なぜ自由を奪うの?」
「今のままじゃダメなの」
「そんなの全く理解できないよ」
「ほんとにそんなこと起きるの?」
「なにか証拠はあるの?」

「北風と太陽」の太陽を目指して伝えてみる

さて、どうでしょう。意外と誰もが言ったり、言われたりした覚えがあると内容だと思います。

これが「なぜ人はお願いされると感じたら身構えてしまうのか」という答えです。

心理的リアクタンス
保有効果
心理的距離
不確実性
補強証拠

こんな5つの心理的障害を取り除いてあげることがイヤイヤ心理を乗り越える上で大切です。

共通するのは「北風と太陽」の童話にあるような「ゴリ押し」ではなく「自由な意志」の尊重です。

これがわかっただけでも、人との接し方が変わりそうではないでしょうか?

・5つの心理的障害
心理的リアクタンス
保有効果
心理的距離
不確実性
補強証拠
・障害は「ゴリ押し」ではなく「自由な意志」の尊重することが大切

さて、お話は以上です。

みなさんも、「北風の太陽」の太陽のようになってみてはいかがでしょうか?旅人の反応が変わるかもしれませんよ。