知る力

内向的なのはいけないこと?欲しがらない女の子と外向性と内向性。

内向的なのはいけないこと?外向性と内向性。

「わたしね、テストで100点取りたいとも思わない。いい学校に入っていい会社に入りたいとも思わないんだ」

「お金持ちになりたいわけでもない。とくべつ美味しいご飯が食べられるからっていいレストランに行きたいわけでもない」

そんなわたしをみんなは内向的だとか、やる気がないとか、淡白だとかいうんだ。わたしは間違っているのかな?」

別に間違っていないさ。それは君の個性だからね。合っているとか間違っている、そんな話じゃないよ。

性格ってのは別に良し悪しがあるわけじゃない。君のその性格だって、良いこともあれば、悪いこともある。

だから他人の言葉で一喜一憂することはない。でもね、気持ちが揺れ動くことがないように、内向的ってものがどういうものか知っておいても損はないかもしれないね。

人の個性はね。科学的には5つの要素の組み合わせによって成り立つといわれているんだ。ビッグファイブというわかりやすい名前がついている。その中の外向性と呼ばれる性質の話だ。

「うん」

内向的をひとことでいうとね。

内向的とは人が持つポジティブな欲求に対する反応度が低いってことなんだ。逆に外向的ってのは反応が強いってことだね。

「欲求・・?反応度?」

欲求とは、〇〇になりたいとか、〇〇したいとか、〇〇を手に入れたいとかそういうものさ。

みんなに褒められたいとか、行ったことのない場所に旅行に行きたいとか、限定グッズを手に入れたいとかいろいろさ。

反応っていうのは、そういったことに対して、積極的かどうかってことさ。

「わたしはそういことに積極的じゃないってこと?」

そうかもしれない。それは君自身が感じることだし、実際に傾向を測ることもできるよ」

「そうなんだ。どれも積極的な方がいい気がする・・」

さっきもいっただろう。いいかい、性格に良し悪しはない。外向的だろうと、良いこともあれば、悪いこともあるんだ。たとえばね・・

内向的と外向的。良い場合と悪い場合。

君の友達にジャーナリストがいたとする。みんなからの関心や称賛をもらいたいばっかりに紛争地域に取材に行こうとする。

友人は明るくこういうんだ。「大丈夫、心配することないさ。そこでしか買えない土産を必ずもって帰ってくるからね」とさ。

君は心の底から止めたいと思うだろう?
そんなもの要らない。危険だから止めろってね。

他にもこんな例がある。

シジュウカラって鳥を外向的、内向的な性格別に分けて繁殖にどんな影響があるかオランダの学者さんが調べたんだってさ。

ある年のオランダは、ブナの木がまったく実をつけずエサの取り合いになった。冬を越す鳥は少なく、欲求に貪欲で外向的なシジュウカラが食料戦争に勝利したんだ。

ところが別の年はね、反対にたくさん実をつけ、シジュウカラにとってはとっても幸運な年だった。あからさまな攻撃性と活動性は逆に足枷になってしまったんだよ。

普段は威張りってばかりでいじめっ子。でも映画ではとても頼りがいがあるジャイアンみたいなもんさ。

つまりね。

外向的だとか、内向的だとかってのが活躍するかどうかってのは「時と場合による」ってことなんだよ。

だから、合っているも間違っているも、良いも悪いもないってことさ。

『私は暮らしができるくらいの一握りのお金と食べ物、それから家族がいるだけで幸せなんです。お帰りください。この土地はお譲りできません』

こんなセリフドラマとかで聞かないかい?とてもストイックだけどどこか暖かみがある意志の強い人だな、と思うだろう。

内向的ってのも別に悪いもんではないだろ。

時と場合に合わせて、自分の個性と付き合う。

君がね。どんな時に、どんな場所で生きることを選ぶのか。その時、もっと外向的でありたいと思ったのならそう努力したらいいのさ。

ま、かくいう僕もさ。子供の頃はさ。どちらかというと内向的だったと思うよ。「どっちでもいい」が口癖で大した欲求はなかった。

ちょっと変えたくなったのさ。だからね。欲求に敏感になれるようにたくさん本を読んで知識をつけたり、自分とは違う外向的な友達を作ったりしたね。

それがうまくいっているかどうか断言はできないけどね。少なくとも自分の意思で選択している。

個性なんてものは決して他人の言葉や、他人の考えで変えるものではないよ。

だからさ。自分の個性に素直に、自分が活きる場所で、自分が望むようにしたら良いのさ。内向的ってのは別にいけないことではない。

そういうことだよ。

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