おもしろくないけど何か問題でも?開放性とは。
そういえば、僕の友達にね。「おもしろみに欠ける」とか「想像力にかける」とか「あそびがない」だの散々言われてしょげかえっていたやつがいたよ。
そんなことを気にしすぎてもしょうがないと思うけどさ。随分かわいそうだったな。
「へぇ、それは気の毒だね。僕だっておもしろいかと言われたら自信は全くないよ。やっぱり気にしちゃうもんじゃないのかい?」
まあ、気持ちは少しはわかるよ。しょうがないっていったのは二つの意味さ。
もちろん、本人の為に思ってることだけどね。
いっこはね。しょげかえってるエネルギーをどうにかする方に使うんだってこと。まあ、なかなか大変だけどね。
もういっこは、性格の50%は遺伝と言われてるんだから、自分の個性とか、パーソナリティだって割り切ったらどうだいってことさ。
人の個性を形づくるパーソナリティの要素には「開放性」ってもんがあるのさ。
ビッグファイブっていってね。人がとる行動を分解すると、代表的な五つの要素に分けることができるんだって。
それが、外向性、神経質傾向、誠実性、調和性、開放性ってやつさ。
「その開放性ってやつはなんなんだい?」
そうだねえ。
開放性とはいろいろことや、いろいろなものを連想する、繋げる度合いって感じかな。
考えの元にしている本人の著者ダニエル・ネトルさんって人は、「処理ネットワーク間の相互作用の拡大」って言ってるね。
「なんだい、そりゃ」
なんだい、そりゃ的な感じだろ。だから僕なりの理解の仕方さ。
「想像力」「おもしろみ」「あそび」なんてのは、聞く側にとって意外で、思ってもみなかったことってことだろ。
ひとつの事柄に思ってもみないことを連想して繋げちゃうのさ。
たとえばさ、海っていったら何を連想する。
「魚とか、青いとか?」
そうだよね。生物が最初に産まれたのが海だからって「お母さん」とはなかなか連想しないよね。
思ってもみないような事柄同士の共通点を見つけて、繋げちゃうのが開放性の高い人さ。
「拡散的思考」っていってね。型にはまらない方法で問題を解決しちゃったりもする。
おもしろみがあって、意外性があるもんだから、珍しいだろ。
だから、開放性のスコアでいろんな文化的、芸術的活動をしているかどうか予測できたりもするらしいのさ。
「なんだか、羨ましい感じだね、このままじゃその友達が気の毒になるよ」
もちろん、いいこともあれば悪いこともあるぜ。
・人が行動する際の5つの要素。ビッグファイブ。
・ビッグファイブとは、外向性、神経質傾向、誠実性、調和性、開放性
・開放性とは、いろんなもの、ことを連想し繋げることができる度合い。
・開放性が高い:型にはまらない方法で問題解決する。
開放性のメリット、デメリット
開放性が高いってことはさ、確かにおもしろいのさ。
でもね、誰にも理解されないネタを考えついたところで、誰も笑ってはくれないんだよ。
「どういうことだい?」
誰にも理解されないくらい連想し、繋げちゃうんだ。
ある意味孤独だぜ。はたから見たらおかしいやつとか風変わりなやつって見られる可能性もある。
他の人には見えないものが視えるんだ。超自然的な信念の持ち主とか、常識やぶりな行動をする、いわゆる「あいつやべーぞ」って言われかねないってことさ。
本人にとって不幸かどうかは置いといて、幻視や幻聴が視えるとか、精神病に似た経験をする人もいるらしい。
そこまでいかなくても「気が散りやすい」という人もいる。
いろんなところに意識が向き、意味を見出すことができる。
そうして想像もしないアイデアで問題を解決したり、芸術的なことができたりする反面、あんまり集中できないものかもしれないね。
・・ということはさ。専門分野での生産性や効率は低くなるのさ。
「開放性にも良し悪しがあるってことか。でも、なんだか君の友達の強みもはっきりしてきたね」
ま、そうだろ。
・開放性:メリット
・おもしろく、想像力豊かな発想をする。
・意外性ある問題解決をする。
・芸術的、文化的に成功をする可能性がある。
・開放性:デメリット
・理解されず風変わりなやつとみられ、常識破りな行動をする。
・気が散りやすく、生産性・効率性は低下。
・精神病に似た経験をする人もいる。
開放性が活躍する時。
「開放性の適度な度合いなんてものがわかればいいいのにね」
そんなものがわかれば確かに苦労しないね。
僕だって、二歩や三歩も先行くみんなに理解されない開放性じゃなくてさ、みんなに評価される半歩先くらいの開放性が欲しいさ。
でも、そんなものはなかなかわからない。
たとえば、生存こそが絶対っていう時代だったら芸術的才能より、もっと実際に素早く結果を出しそうな有能な人にみんな憧れるだろうさ。
逆にある程度安定した世の中なら、想像力があってエキセントリックな人の方が無いものねだりのみんなからとても魅力的だろうしね。
今の世の中はどっちだろうね?活躍は「時と場合による」んじゃないかな。
自分をどんな環境におくか。時代は選べない、個性も半分は遺伝さ。けど、職業や働き方そんなものは選ぶことも可能だ。
だとしたら、どれくらいの開放性が最高か、なんて考えるよりも自分の開放性を知ることの方がよほど大事さ。
そうして、自分を活かす場所に置く。
開放性の高さ、低さがデメリットになるんだとしても、わかっていれば打ち返しようもあるってもんさ。
だから、「おもしろみがない」「想像力にかける」「あそびがない」って言われても気にしない。
「どーもありがとうございます!自分を知るいい機会になりました」って話さ。そうしてフラットに自分と付き合う方法を考えりゃいいのさ。
それが建設的ってもんさ。だめかな?ま、友達にはもう言っちゃったんだけどね。
「大丈夫だよ、君はいいやつだと思うよ」
そうか、そうか。そいつは良かった。
・開放性の度合いにベストはない「時と場合による」
・自分の開放性を知ることが大事。
・自分の個性とうまく付き合う方法が考えることが大切。