誠実性とはなにか。誠実さと衝動さ。
「ひさしぶり、今日は性格とか個性についてもう少し深く知りたいと思って、勉強しにきたよ」
おや、ずいぶんまじめな心がけだね。
じゃ、今日はそんなまじめな君にぴったりの誠実性って個性について話そうかな。
「誠実性?良さげなことばだ」
そうだね。個性ってのは5つの特性に分かれている。外向性、神経質傾向、誠実性、調和性、開放性の5つ。
ひとそれぞれにこの5つの組み合わせで構成されている、というのがビッグファイブ理論というエライ人が研究した成果さ。
特性の強弱、高低でいうから「次元」って言い方することもあるね。パーソナリティの5次元みたいにね。
この中の誠実性についての話さ。
誠実だっていうとどんなひと想像する?
「そうだね、真面目とか、責任感があるとか、真摯だとかそんなイメージかな」
まさしくそのとおりだね。
誠実さ、もとい誠実性は衝動をコントロールできる度合いのことをいうのさ。誠実性が高ければ熟考的で、低ければ衝動的といえる。
だから、逆の意味で、衝動性って言い換えることもできる。
・個性とは、5つのパーソナリティの組合せ。
・誠実性=衝動をコントロールできる度合い。
・誠実性:高い=熟考的 低い=衝動的。
誠実であること、衝動的であることのメリット・デメリット
君はどちらかというと見るからに、誠実性が高そうだ。そうして、僕の知ってる君の奥さんは見るからに、衝動性が高そう(誠実性が低そう)だよね。
「まあ余計なお世話だけど、その通りだね」
「うちの奥様は、美味しいものはすぐ美味しいっていうし、自分のやりたいこと、やりたくないことはすぐに態度に出る」
「こないだなんて、行列のできる豚丼屋で、一口食べただけだよ。たった一口食べただけで箸をおいて店を出たんだ。信じられるかよ?」
「周りに気を遣って残った豚丼を残らず食べてからでたよ・・」
それは素晴らしいね!その素直さ見習いたいもんだ。誠実性の低さだけじゃなく、調和性の低さも関係してそうだ。
もちろん衝動的であることのデメリットもある。長い付き合いになるとか、少しの失敗が信頼を失うような場面では全くもって軽率な話ではある。でも、自分がしない選択ができることは素直に称賛するよ。
「いやまったく。いちいち周りにどんな影響が出るか、考えてしまいワンテンポ遅れる僕からしたらなんとも羨ましい性格だよ」
まあまあ、ひとは目に見えてすぐ手に入るご褒美に目がないからね。半年後のスリムなボディより、目の前のスイーツの方がなかなか魅力的に映るもんさ。
だから、誠実性が高いってのは貴重なことではあるんだぜ。広い視野で物事を成功させることができるから、仕事でも出世しやすいと言うしね。
とはいえ、考えすぎは良くない。大昔の生きるか死ぬかの獲物の取り合いだったら誠実性の高い君は間違いなく奥様に食料戦争で負けているだろうからね。
「わかるけど、今は大昔ではない。生きるか死ぬかの瀬戸際でもないよ」
その通りさ。個性に良いも悪いもない。
その個性が強みを発揮するのは「時と場合による」ってことさ。生まれた時代、生まれた環境、選んだ生活、そんなものが自分を活かすかどうか決める。
だからこそ、自分の個性とどう付き合っていくかってのが重要なのさ。
僕みたいに、誠実性と調和性が高く程よく外向的だとね。みんなに感謝されたいあまり周りのひとのことばっかり考えて、自己犠牲的になって抑うつになっちゃうぜ。
「自虐だね」
うん。誠実さとか、調和が取れる、外向的ってのはどれも聞こえがいいからね。いいも悪いもあるんだぞとクギを刺しとこうと思ってさ。
ともあれさ。資源の獲得競争は奥様の方が強いだろうぜ。
半額のお惣菜、衣替えの季節のワゴンセールとか生きるか死ぬかってこと以外にも身近にはあるもんさ。
・誠実性が高いと信頼が得やすい。
・誠実性、調和性が高いと自己犠牲的になる。
・誠実性が低いと資源獲得競争に強い。
自分を知る。自分の個性を活かす。ふたりで補完しあう。
人生、一人で知れることには限度がある。だからこそ違う人と出会うことで違う経験を共有できるし、協力して大きなことも成し遂げられる。
分業ってのは人間の大きな発明だって、アドラーの嫌われる勇気って本にも書いていたよ。まあ仰る通りだね。
だからね、君と奥様はお互いにないものを補完し合う良い関係に見えるよ。
ないものねだりで欲しがるんじゃなくて、持ってる人が自分のそばにいればいい、その方がかんたんだからね。
さあ、誠実性や衝動性ってものが少し分かったかな。
誠実性ってのは、衝動をどれだけコントロールできるかってことだ。誠実性に良いも悪いもない。
だからね、自分をよく知る。そうして自分の個性にあう生き方を時と場合に合わせて選びとり、自分を活かす。
つまるところ、そこに行き着くのさ。
・個性に良い悪いはない。
・個性が活きるのは「時と場合」による。
・個性に合った生活環境を選ぶことが大切。