ひとは変えない理由。信頼と協力をうむパーソナリティ。
あるときね、ちょっぴり偉い立場になったことをきっかけに「一緒にいるみんなを幸せにしたい」と思ったひとがいたんだ。
「今思えばずいぶん大変な道だな」と思ったものだけど、あの時は全く教えてあげることができなかった。
そんなことを思い返していたよ。
「それがなんでだめなんだい?別にいいことじゃないか」
そうだね、大変なのさ。ただただ大変なのさ。
そうして、あんまりいいことはない。だから、今の僕はね。
ひとがひとを変えようとしてはいけないとそう思っているのさ。
なにせ自分が思う幸せと、周りの人が思う幸せは違うものさ。
嬉しいや楽しいことを人一倍追い求めるひと。
悲しいや辛いことにとっても敏感なひと。
考えることを大切にするひと、考えるよりも行動だってひと。
ひとを思いやることに生き甲斐を感じるひと。
誰も考えもしないようなことを考えるのが好きなひと。
こんなのは全部ひとの個性とかパーソナリティと呼ばれるものの違いさ。
外向性、神経質傾向、誠実性、調和性、開放性っていってビッグファイブといわれているね。
このパーソナリティは生涯あまり変わらない。
それが学者さんの研究結果さ。
ひとを幸せにしたいと思うってことは、パーソナリティをかえることを頭に入れなきゃならない。
野球好きってやつを、サッカー好きにするのだって大変だろ。少なくともそれ以上に大変だってことさ。
もしかしたらできるかもしれない。でも、茨の道さ。
だからね。ひとはみんな違うものだと理解する。
ひとは変えようとしない。
自分とは違うひととの付き合い方を考えることが大切だってそう考えるのさ。
そうして、パーソナリティが違うってことを大切にする。個性の違いは迷惑なものじゃなくて、貴重なチカラだと理解する。
だって、ひとの命は限られていて、自分が知ること、できることには限度があるからね。
君は、魚の料理を作れるかもしれない。でも魚を釣ることはできない。もしかしたら両方できるかもしれない。けど、
釣り竿は作れるかい?
針は作れるかい?
エサは用意できるかい?
海にはどうやっていく?
どこかで誰かを信頼し協力しなくちゃいけない。
じゃないと時間がいくらあっても足りない。
たとえば僕はいっぱい時間があるんだってことにしよう。
それでも、お腹が減って死んじゃうまえに全部用意しなきゃならない。
制限時間つきでもそれはできるかい?
ひとの進化は信頼と協力さ。だからこそできないこともみんなでやってのける。
すごいよな。でもパーソナリティを拒絶するとそれはできない。
・・だから、パーソナリティはみんな違って、みんな大切ってことなのさ。
そうしてそんなみんなとの付き合い方を見つける、それがとってもいいのさ。
・自分と他人が考える幸せは違う。
・ひとは変えない。持っているパーソナリティを活かす。
・個性は迷惑ではなく貴重なチカラ。
・パーソナリティはみんな違い、みんな大切なもの。
「ひとを変える」という意味。
僕はね、夢を見させてくれるひとは大好きだよ。
こんな人になりたいって思うからね。
ひとが変わる、ひとを変えるということはパーソナリティを変えることではなく、こういうことなんだと思うよ。
パーソナリティは変わらない。みんな違って、みんな大切さ。
だから、そのひとががんばりたいって思えるチカラになるとか、難しいことの乗り越え方を教える。
「ひとを変える」ということがあるとしたら、こういうことだと思っているよ。
決して、パーソナリティや個性を変えることじゃない。
例えると、車をチューニングする感覚かもね。
ターボエンジンに変えたり、カーブに強いタイヤに変えるとかね。でも車自体は変わってないだろ。
大好きな車さ。変えたくないし、変えるのは大変さ。
僕の乗ってるエクストレイルくんもキャンプに行こうとすると積める荷物の量が足りないんだ。
でも、違う車にしたいと思わない。たくさんお金もかかるし愛着もあるしね。積める荷物を増やすためにルーフキャリアをつけようと考えているところさ。
ところで「ひとを変える」としたなら押さえておきたい大切なことがある。なにかわかるかい?
「なんだろうね」
それはね、自分のための時間を他人に使いすぎないってことさ。
君は君のパーソナリティがある。君の幸せがある。だけど命には限りがある。なかには制限時間つきの場面だってたくさんある。
自分の時間が足りなくなって、自分のことすらできなくなる。自分を成長させられなくなる。それは不幸なことさ。
まず、自分が幸せになる。そうすることで周りにも目を向けられるってものさ。
だからね、自分のしたいことの延長線上に、ひとを変えることを重ねるんだ。そうすれば大切な時間はなくならない。
夢を見せる
生き様を見せる
背中を見て育つ
とかそういうことさ。要はマネしてもらえるようにするってことだね。それがポイントだね。
僕は父の死に立ち会って「自分を変える」ことを考えるようになったな。
変えるといってもむしろ自分のパーソナリティに素直でいようと思っているさ。それが自分を活かすことに繋がるからね。
・自分の時間を犠牲にしない。
・自分のしたいことと、ひとを変えることを重ねる。
・自分が幸せになることを優先する。
ひとは変えない。「変えないひと」との関わり方。
「ひとは変えない」って決めたなら、いろんな人とどんなふうに付き合えばいいかわかってくるよ。
大切なのは、そのひとのパーソナリティが活躍できる場所を考えることさ。
それが自分ができないことであれば最高だね。とってもいい信頼関係を築ける可能性があるからね。
だから自分とパーソナリティの違う人との関わりは大切にするべきさ。新鮮な経験をたくさんさせてもらえるだろうしね。
ただ、ひとつだけ僕からアドバイスしたい。
「自分のパーソナリティを受け止めてもらえるひと」
「相手のパーソナリティを受け止めたいと思うひと」
そうひとと関わることが大切さ。
僕にも3人、僕の欠点を素直に受け止めてくれる友人がいるがね。とてもかけがえがない友達さ。
なんというかいわゆる「ウマが合う」とか「安心感がある」とか「感性が同じ」とかそういうものさ。
心の根っこのところで共感できない相手とは信頼関係は築けないと思うからね。
根っこのところで共感できないならば、迷うことはない。関わり合いにならないことさ。
自分の時間は限られている。大切なひとや、自分のために使おうということさ。
まあこんなところさ。
「僕がひとは変えない」といった本心が伝わっただろうか?
変わらないものだと理解することがはじめの一歩さ。
ひとを変えないことに意味がある。
ひとを変えないことこそが、その人にとっても自分にとっても成長し、活きることに繋がるのさ。
自分にできないことすら、みんなを信頼し協力することでできるようになる。
そうすることで、ひとはもっと幸せになれるんじゃないかな。
パーソナリティを教えてくれるビッグファイブはその足掛かりにちょうどいい。
昔の僕が今の考え方を知っていたら、できていたらまた違った選択をしたかもしれないね。
「・・・」
つまらない話に付き合わせたかな?
「いや、そんなことないよ」
そうか、ありがとう。まあ、もう過去のことさ。今を生きることに専念しないとね。
・ひとのパーソナリティが活躍できる場所を用意する。
・異なるパーソナリティを持つ人との関わりを大切にする。
・心根に共感できるひとと関わりをもつ。
・心根で共感できない人は避ける。自分の時間を大切にする。
・ひとを変えないことに意味があると考える。それが幸せの足掛かりになる。